三重県にある榊原温泉(さかきばらおんせん)を、筆者はこれまでに2度訪れたことがある。第一印象はいまでも強烈に残っている。理由はただ一つ――泉質がとにかく"とろっとろ"なのだ。
湯船に浸かった瞬間にわかる"とろとろ感" #
最も印象に残っているのは、湯船に入った瞬間の感覚。まるで化粧水に全身を浸したような、滑らかでとろみのある肌触り。これが榊原温泉の大きな特徴であり、美人の湯として知られる理由でもある。
筆者が訪れたのは、『湯元榊原舘 日帰り温泉 湯の庄』という日帰り温泉施設である。ここは源泉掛け流しの湯を提供しており、特にぬる湯が素晴らしかった。ぬる湯は長湯にぴったりで、泉質の良さをじっくりと堪能できる――が、問題はその人気ぶりだ。ぬる湯の湯船は常に満員で、両隣や正面の人と膝が触れ合うほど。その隙間ですら、空くのを結構な時間待たなければいけないほどである。静かにゆったりと湯に浸かりたい派にとっては、なかなかの修行かもしれない。
アクセスはやや難あり、車がベスト #
筆者は最初の訪問では公共交通機関を利用し、2回目は自家用車で訪れた。二度の訪問訪問の結論としては、車での訪問が断然おすすめである。公共交通機関でのアクセスはやや不便で、観光地というよりは地元の人が車で立ち寄る温泉地といった印象が強い。
なお、公共交通機関でアクセスする場合は、近鉄久居駅から三重交通バスに40分ほど乗車し、湯元榊原館前で下車する必要がある。
温泉街というより点在型温泉地 #
榊原温泉には温泉宿がある程度立ち並んでいるものの、いわゆる温泉街のようなにぎわいはない。施設同士の距離もあり、徒歩で湯巡りを楽しむというよりは、車でそれぞれの宿や日帰り施設に向かう形になる。また、観光客向けの飲食店はほぼ存在しない。そのため、温泉と食事の両方を楽しむタイプの旅を期待すると、やや拍子抜けするかもしれない。
どんな人におすすめ? #
榊原温泉は、「とろとろの美肌の湯」を楽しみたい女性客や、「ぬる湯」を愛する温泉マニアにこそ強くおすすめしたい温泉地である。派手さや観光地らしさはないが、泉質そのもののクオリティは非常に高い。
地味で静かながら、湯の魅力でしっかりと勝負している榊原温泉。混雑覚悟でぬる湯に挑むもよし、とろとろの美肌湯で自分を労わるもよし――温泉本来の価値を味わいたい人にこそ、訪れてほしい場所である。
なお、大浴場は「もえぎ」「むらさき」の2種類あり、それぞれ、日替わりで男湯と女湯に入れ替わることになっている。わたしは2回訪問したが、あいにくとどちらも「もえぎ」の湯であった。いずれ、「むらさき」の湯にも入ってみたい。