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上湯温泉 川原の湯 レビュー|十津川で味わう屋根なし露天風呂の解放感

上湯温泉 川原の湯 レビュー|十津川で味わう屋根なし露天風呂の解放感

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奈良県十津川村の山奥にある素朴な秘湯、上湯温泉(かみゆおんせん)を訪れた。十津川村というと、日本初の源泉掛け流し宣言をしたことで有名であり、十津川村には上湯温泉の他、観光地として有名な十津川温泉(とつかわおんせん)、地元感あふれる湯泉地(とうせんじ)温泉、そして今回紹介する上湯温泉がある。他2つの温泉に関する記事も以下リンク先のように作成済みだ。

上湯温泉を訪れた日は、湯泉地温泉で日帰り入浴を楽しんだ後、帰路の途中にもう一湯ということで、『上湯温泉 川原の湯』に立ち寄った。以前から名前は聞いていたが、実際に訪れてみると想像以上の体験だった。

施設情報
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項目 内容
施設名 上湯温泉 川原の湯
所在地 奈良県吉野郡十津川村出谷220
料金 500円
泉質 ナトリウム炭酸水素塩泉
浴槽 露天風呂1
営業時間 9:00~17:00
公式サイト http://totsukawa.info/joho/totsukawa_onsen_gou/3kamiyu_onsen.html

露天風呂と泉質の特徴
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海の家のような仮設受付、その奥に露天風呂
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『上湯温泉 川原の湯』は、観光施設というよりも、地元で維持・運営されている素朴な施設だ。到着してまず目に入るのは、簡易な受付所。プレハブともテントともつかない造りで、まるで海の家のような雰囲気が漂っている。

ここで入浴料を支払い、細い通路を抜けると、川沿いに露天風呂がぽつんと現れる。この簡素さこそが、川原の湯の本質であり魅力でもある。

熱めの湯と、場所によって違う湯温
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上湯温泉の泉質は、ナトリウム炭酸水素塩泉で、色は無色透明である。硫黄臭(硫化水素臭)があり、湯の花も浮かんでいた。もちろん、源泉掛け流しである。源泉温度は85℃もあるため、湯船に足を入れるとかなり熱く、入るのをためらうほどだった。体感としては44℃近くあるのではないかという温度で、長時間浸かるのは難しい。

ただし、面白いのは湯船内の場所によって温度が異なることだ。中央や手前側は比較的ぬるく、なんとか入れる程度だったが、奥の方はさらに熱く、そこに平然と浸かっている常連客らしき人の姿を見て驚かされた。おそらく源泉の流入口が奥側にあるのだろう。

屋根なし・川沿いの圧倒的な解放感の露天風呂
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ここで特筆すべきは、屋根がまったく無い露天風呂であるという点だ。多くの温泉施設では、露天といっても雨天に備えて屋根付きになっていることが多い。だが、ここ川原の湯には屋根がない。

その結果として得られるのが、圧倒的な開放感だ。すぐそばを川が流れており、視界を遮るものが何もない。これまで数々の露天風呂を体験してきた中でも、ここまで自然と一体化した感覚を味わえる場所は珍しい。まさに、唯一無二の野湯感覚である。

なお、雨天時は完全に濡れる構造になっているが、逆に言えば晴天時にこの風呂に浸かる幸福感は格別である。また、本施設は混浴ではなく男女別となっており、女湯は別に用意されている。女湯側には屋根があるが、男湯には潔く屋根も衝立もない。

カラン(シャワー)・アメニティ(シャンプー・石鹸)無しの潔さ
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泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉で、もちろん源泉掛け流しである。いわゆるカラン(シャワーや洗い場)はないが、そもそもこういった秘湯にそれを求めるのは野暮だ。

むしろ、この手の湯にカランが設置されていると秘湯感が薄れてしまう。温泉マニアにとっては、むしろこの簡素さこそが正解である。

また、シャンプーや石鹸などのアメニティ類も無い。タオルが売っていたかは覚えていないが、神湯温泉まで来るような温泉ファンであれば、タオルくらい持参しているだろうし大丈夫だろう。

上湯温泉へのアクセス
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上湯温泉へのアクセスは、車が前提である。神湯温泉がある十津川村自体、公共交通機関でのアクセスが難しいが、湯泉地温泉や十津川温泉はまだ、街中にあると言っていい。上湯温泉は完全に山の中にある。一応は路線バスが通っている。

車で辿り着いた場合は、駐車場は空きがあるので安心して欲しい。ただし、途中の道は幅が狭く、運転には注意が必要である。

まとめ:どんな人におすすめか?
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『上湯温泉 川原の湯』をおすすめしたいのは、自家用車で十津川を訪れた温泉好きな人だ。バスではアクセスが難しく、また施設自体も簡素なため、気軽な観光客にはややハードルが高いかもしれない。

だが、だからこそ、この湯に浸かる価値がある。地元に守られ、素朴で、自然と直結した空間での入浴は、何にも代えがたい体験となる。

次はぜひ、雪の季節や新緑の季節にも訪れてみたい。川原の湯は、自然と湯との境界が曖昧になる場所として、これからも多くの温泉好きの記憶に残り続けるだろう。

なお、同じ奈良県にある洞川温泉(どろがわおんせん)も訪問している。訪問記はこちらから。

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