三重県津市にある『一志温泉 やすらぎの湯』(いちしおんせん)を訪問した。
一志温泉 やすらぎの湯は、550円という手頃な入浴料で利用できる日帰り温泉施設である。内湯が2か所に分かれた独特の構造を持ち、特に脱衣所奥の浴槽では、ほのかな温泉の香りや温泉シャワーなど、通常の公営温泉とは少し異なる特徴を体感できた。
泉質はアルカリ性単純泉で、全体としてはクセの少ないあっさりした湯である。一方で、地元利用者が多い公共施設らしい落ち着いた雰囲気も印象的だった
なお、同じ三重県津市にある榊原温泉(さかきばらおんせん)や『極楽湯 津店』、『火の谷温泉 美杉リゾート ホテルANNEX』も訪問しており、訪問記事はこちらから。
施設情報 #
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 一志温泉 やすらぎの湯 |
| 所在地 | 三重県津市一志町井関1792 |
| 料金 | 550円 |
| 泉質 | アルカリ性単純泉 |
| 浴槽 | 内湯複数、露天風呂 |
| 営業時間 | 10:00~21:00 |
| 公式サイト | https://www.info.city.tsu.mie.jp/shisetsu/onsenshisetsu/1010054.html |
浴場と温泉の特徴 #

一志温泉 やすらぎの湯は、『とことめの里一志』という福祉・健康・教育の総合施設内にある。このため、図書館の脇という少し珍しい立地に温泉施設があり、地域住民の日常利用を支える施設として親しまれている。
内湯と露天風呂の構成 #
浴場は月ごとの男女入れ替え制となっており、和風と洋風の浴場が用意されている。訪問時に利用した浴場は、内湯が2つのエリアに分かれている少し変わった構造だった。
まず手前には一般的な内湯と露天風呂が配置されており、このエリアは多くの利用者がまず利用する中心的な空間となっている。露天風呂は適温に調整されていて、無理に熱くしていないため、ゆったりと長湯しやすい印象を受けた。手前の内湯も含め、全体としてはクセの少ない入りやすい湯で、日常使いの温泉として利用しやすい。
一方で、この施設の特徴的な点は、脱衣所の奥にもう一つ内湯が設けられていることである。奥の浴槽はやや分かりにくい位置にあるため、初めて訪れる場合は存在に気づかずに帰ってしまう人もいそうだ。しかし、この浴槽ではわずかに温泉らしい香りを感じることができ、さらに温泉を使用したシャワーも設置されていることから、手前の浴槽よりも温泉らしさを感じやすいエリアだと感じた。
そのため、一志温泉 やすらぎの湯を訪れる際には、手前の内湯や露天風呂だけでなく、脱衣所奥の内湯まで足を運んでみることをおすすめしたい。施設全体としては派手さはないものの、こうした構造の違いによって、同じ浴場内でも異なる入浴体験を楽しめる点が特徴的である。
泉質と温泉分析表 #

泉質はアルカリ性単純泉で、色は無色透明である。温泉分析表によると、源泉温度は37.5℃、湧出量は440L/分、pHは8.8と高め。公共施設の温泉というと泉質にあまり期待できないイメージもあるが、本施設は湧出量・pHともにしっかりしており、良い意味で期待を裏切られる内容となっている。
ただし温泉の利用形態としては、加水なしである一方、加温・循環ろ過・消毒ありとなっている。

入浴時の体感と館内の雰囲気 #
実際に入浴してみると、手前の浴槽ではクセの少ないあっさりとした印象で、強い個性を感じるタイプの湯ではなかった。しかし、奥の内湯ではほのかな香りも相まって、わずかながら温泉らしさを感じることができた。この差は意外と大きく、訪問時にはぜひ奥の浴槽まで入っておきたいところである。
訪問したのは15時頃だったが、浴場には高齢者を中心とした地元常連の利用が多く見られた。子ども連れの利用も多少あったが、サウナ目的の若年層はほとんど見かけなかった。全体として、地域住民の日常利用に支えられている温泉施設という印象が強かった。
料金 #
一志温泉 やすらぎの湯の入浴料は550円で、気軽に利用しやすい価格設定となっている。訪問時点ではクーポンや電子チケットによる割引は確認できなかったが、12枚つづり5,500円の回数券が販売されている。回数券を利用すれば1回あたり約458円となり、頻繁に利用する人にとっては非常にコストパフォーマンスが高い。
館内施設 #
館内には、畳敷きの休憩スペースや『レストハウス秋桜』という食事処が併設されており、入浴後にひと息つける環境が整っている。派手さこそないものの、地域の公営施設らしい落ち着いた造りで、全体的に過不足のない印象だった。
食事処では、唐揚げ定食が650円、みそかつ定食が750円など、入浴料と同様に比較的リーズナブルな価格設定となっている。ただし、営業時間は10:30〜14:30のため、夕方以降に訪問する場合は利用できない点に注意したい。私が訪問した際も営業時間外だったため、食事を取ることはできなかった。
一方で、550円という手頃な価格の公共施設ということもあり、利用者は多かった。訪問時は休憩スペースもそれなりに埋まっており、ゆっくり長時間くつろぐというよりは、入浴後に軽く休憩する程度の使われ方が中心のように感じた。

なお、瓶入り牛乳は置かれていなかったが、自動販売機でバナナオレを購入して湯上がりにいただいた。
職員対応で気になったこと #
一志温泉で気になった点として、まず脱衣所に施設の職員と思われる方が椅子に座っていたことが挙げられる。監視や安全確認のためと思われるが、他の温泉施設ではあまり見かけない光景であり、やや戸惑いを覚えた。
利用者側としては、たとえ同性の職員であっても、着替えの場面で視線を感じる状況には少なからず抵抗がある。何らかの事情があるのかもしれないが、もう少し配慮があってもよいのではないかと感じた。
また、帰り際には受付付近で職員同士の口論のようなやり取りが聞こえてきた。事情の詳細は分からないものの、こうしたやり取りが利用者の耳に入ってしまう状況は、施設の印象を損ねかねない。全体として大きな問題ではないものの、接客面ではやや気になる部分が残った。
利用者のクチコミ傾向 #
じゃらん・nifty温泉等の各種クチコミサイトの利用者の声を見ると、一志温泉 やすらぎの湯は 550円という利用料金の安さ と、アルカリ性単純泉による肌あたりの良さ を評価する意見が多く見られる。地元の常連利用者が多く、公営施設らしい落ち着いた雰囲気 を好意的に評価する声も見られる。
一方で、土日や夕方の混雑、施設の分かりにくさ、サウナや設備の規模 については気になる点として挙げられている。総合すると、一志温泉 やすらぎの湯は 「コストパフォーマンスが高く、地元に親しまれている日帰り温泉」 としてクチコミ評価されていると言える。
まとめ #
『一志温泉 やすらぎの湯』は、550円という手頃な価格ながら、内湯が2か所に分かれた構造によって体験に差が生まれるのが特徴的な施設だ。手前の浴槽はクセの少ないあっさりした湯で誰でも入りやすく、脱衣所奥の浴槽ではほのかな香りや温泉シャワーにより、より温泉らしさを感じることができる。全体としては派手さはないものの、細かな違いを楽しめるつくりになっている。
そのため、コスパよく気軽に温泉に入りたい人や、静かな公営施設の雰囲気が好きな人には向いている。一方で、強い泉質やサウナ、エンタメ性の高い設備を求める人にはやや物足りなさを感じるかもしれない。